KAOS (95) 過程ベースの仕様 (4.4.2-7)

最初は,操作(証明)を行う時に必要な公理である 1.様相論理の場合は,少し複雑なので,「未来」における例を示す.

(0) □ φ → φ

(1) ○¬φ ⇔ ¬○φ

(2) ○(φ → ψ)  ⇔ (○φ → ○ψ)

(3) □(φ → ψ)  ⇔ (□φ → □ψ)

(4) □φ  → □○φ

(5) (φ ⇒ ○φ) → (φ ⇒ □φ)

(6) φWψ ⇔ [ψ  ∨ (φ ∧ ○(φWψ))]

(7) □φ ⇒ φWψ

ここで始めて出てきた φ ⇒ ψ は,□ (φ → ψ) である.また,φ ⇔ ψ は,□ (φ ↔ ψ) である.ほとんど,意味は明らかであろう.ちなみに□, ◇, U は,上記を用いて,次の様に代数的に書くことができる.

□φ⇔(φ∧○□φ)

◇φ ⇔ (φ ∧ ○◇φ)

φUψ ⇔ ( ψ  ∨  [φ ∧ ○ (φUψ)]


次は,いつもの(証明)規則である.典型的なものを示す.

特殊化

□ φ ⊢ φ

全ての φ が真であれば,ある φ も真である.これは,公理(0)でもある.

MP (Modus Ponens)

(φ1 ∧ … ∧ φn) ⇒ ψ, □p1, …, □ φn  ⊢ □ ψ

推移律

φ ⇒ ψ, ψ ⇒ ξ  ⊢  φ ⇒ ξ

単調性

φ ⇒ ψ ⊢  □φ ⇒ □ψ

(nil)

Notes:

  1. これまでは,余り公理を明示化してこなかった.もちろん,公理は体系を定める上では重要であり.正確に議論するためには必要である.